●牛革について--その1--

当社では牛革製の手袋が多く、質問も有りましたので、
私の知っている事を書いてみたいと思います。
ただ、専門家ではありませんので、間違っていると思われた方は訂正お願いし ます(^^;

牛革の分け方はいろいろ有りますが、
もっとも基本的には「ギン付き」と「床革」に分けます。
スキーではほとんど「ギン付き」です。
革の一番外側の部分を使っています。
「ギン」というのは表皮の部分の事です。
これに対して「床革」はそれより内側という事になります。
労手といって革のプアツイ作業用の手袋などが使っています。
床革でも一番床とか二番床とか有ります。
値段は全然違います。当然「ギン付き」が高く、床革の何倍もします。
ということで、以下すべて「ギン付き」の革について書きます。

最終加工では、大きく分けて2つにわかれます。
一つは、染色した革をそのまま使う「素あげ」タイプ。
もう一つは、「素上げ」状態からラッカーで塗装する(光ってる)タイプ。
常識的に言えば加工が多い分当然「ラッカー」タイプの方が高いと思うでしょ うね。
ところがギッチョン(あまりにも古い!)
素上げタイプの方が高いのですよ。
なぜだと思いますか?
分かった人はメール下さい。
正解した方には「名誉」があたえられます。
ボチボチ書いていきますので続きはまたにします。(98/1/22)


●牛革について--その2--

続きです。
なぜ「ラッカー加工」したものの方が、何も加工のしていない「素上げ」より 安いのか?ですね。

まず牛革の価格で、どうして値段の差が出るか、と言う事ですが、
これはキズの有無が一番大きな要因になっているみたいなんです。
そうすると少々のキズなら隠す事の出来るラッカー吹きつけ革の方が
より安い革を使えるという事がお分かりだと思います。
素上げの方はキズの多い革が使えないので当然高い革になってしまうのです。
一工程増えるラッカー加工の牛革方が安いというのは、そういう理由です。
ただ、革の風合いは、そのラッカー加工の厚みに比例して落ちるのも事実です。

次に、「防水」について
革全般に言える事は、水気に弱いと言う事なんです。
なんで、水気に弱い革をスキーなんかに使うのかと思われますよね。
私もそう思いました、最初は。
しかし、革にはいまだに化学繊維の持っていない利点が有ります。
私は、一番大きいのが「通気性」だと昔から思っています。
ただこれは私個人の考えなので、あまり他の人に言わない方が良いかも知れま せん(^_^;
やはり「手」の複雑な動きにしなやかに追随できるのは「天然皮革」が一番で す。
しかも使っている内に手に馴染んでくる。
この「馴染む」というのは「必要な所で延び、必要な所で縮む」という事なんで す。
どちらかというと「縮む」方が多いみたいですが。
これは他の化学繊維には見られない長所です。
化学繊維の方が元の形に戻ろう、とする度合いが強いように思います。

話がすぐにそれますが、革の欠点である「水に弱い」をいかに克服するか。
まず「ラッカー加工革」の方は、ラッカー自体に撥水性があるのでOKです。
次の「素上げ」は、何も加工しないとどんどん水分を吸い取ります。
従って、なんらかの加工が必要になります。
その一つが「スコッチガード加工」です。
これは住友3Mの商品名ですが、撥水加工の一種で、
スキー用で白の「素上げ牛革」は、殆どこの加工をしています。

その他では、当社の No.882 のように染色の段階でオイルを染み込ませるという方法もあります。
これは値段が高いですが、水に濡れてもゴワゴワになりにくいという
これからの加工になるのじゃないかと思います。
但し、この革は水には強いですが、防水はされてませんので、水は滲みます。
この手袋をつけている人は、転ばないという上級者の証として自慢できるかもしれませんね。

もう一つ防水性にかかわるのは、「厚さ」と「密度」があると思います。
やはり厚くて密度の高い革はそれだけ防水性が良さそうです。
ただ日本では密度については言わないですね。
あまりこのあたりは詳しくないので、この位にします。

なにかご質問があればメール下さい。
このコーナーで知っている範囲でお答えします。
次は革の防寒性について書こうかと考えています。ではまた。(改98/9/19)


●牛革について--その3--

「牛革の防寒性」です。
通常、皮革製品は防寒性に優れていると思われがちのようですが、
実際の所は、どうなんでしょうか。
私は皮革製品というのは防寒に対してもそれ程良いとは思っていません。

革の一枚物の手袋で冬期オートバイにでも乗るとすぐに指は冷たくなります。
理由はやはり「毛穴」のせいです。
この為、通気性がよくなるのですが、
風が入る為にすぐに外気温に適応?するのです。
従って、逆に夏でも、革のつなぎ等でオートバイに乗っていても、
もちろん暑いですよ!!しかし、はたから見える程でもないのです、
走っている限りはね。止まると地獄ですが(^_^;
でも夏のツーリングで「革つなぎ」いただけませんね。冬も駄目です。寒い。
革つなぎはサーキットだけにしましょうね。

おっと、又何の話かわからなくなってきました。
デザインでは、防寒性の高い順でミトン・3本指・5本指となります。
しかし、基本的にいうと、防寒性はインナーに依存されます。
インナーについては、別項で書くつもりですが、
5年前に比べて防寒性に優れた物が多くなりました。

アウターについては、防寒性の良さで言うなら、
牛革よりも「しっかりした」生地物の方が風を通さない分暖かいと思われます 。
ですから、極寒の地で、革の手袋をはきたかったら
上に一枚オーバーミトン等の物を付ければ良いのです。

それ程の寒さでない地域だと、汗でムレる事は少なく、臭くなりにくい
革の通気性の良さが発揮されます。
それにストープの近くで干しているだけで乾くのも牛革ならではの事です。
しかし、あまりこういう事はしないで下さい。油分が飛んで素材が痛みます。
本当は、スキー場へ行く場合には何種類かの手袋を持っていくのが理想です。
せめて2双はもっていってほしいですね。

次回は、何を書くかは未定です。ご質問があればここで回答します。(98/2/8)



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