●インナーについて

スキー/スノーボード手袋に使われているインナーについて私の知っている事 を書きます。

防寒性は殆どがこのインナーに依存されます。
従って、防寒性とフィット感、その他いろんな要素が必要ですので、時代によ って、材質の変遷が結構ありました。

昔のスキー手袋で多かったのが、「特紡」といわれる材料です。
その後、「ナイロン」が出て、「ナイロン起毛」の物と続きます。
そして、「ベンベルグ」を使う様になりました。少し前のスキー全盛(バブル) の頃は、殆どこれを使っていたように思います。今でも私個人は、はき心地が 良く好きなインナーです。又最近は黒っぽい手袋が多くなるにつれてベンベルグ も黒色を使いはじめました。
少数派では、「シンサレート」「わた裏(ミトン用)」と呼ばれる物もありまし た。ただ表面というか手に当たる面はベンベルグを使ってます。 シンサレートというのは、綿を圧縮した様な素材で新素材と言ってもいいかな? 暖かいという事ですが、仕上げの時の熱で、さらに圧縮され固くなる傾向があ ります。強度的な弱点もありそうで、私自身はちょっと使いにくい気もします。

現在、一番多いのが、「甲部アクリルボア/平部ベンベルグ」です。
それ以前の「オールボア」では平の部分が厚過ぎた為、グリップ感が悪くなる という欠点がありました。それを是正する為に、平部にベンベルグを使った物に 変わっていったのです。

スノーボード用手袋では少し事情が違います。インナー取り外し式では殆どが 「フリース」素材です。フリースは暖かくてなかなか良さそうですが、生産国や 生産メーカーによって品質に差が有るようです。安物だと非常に毛玉が出来 やすいという欠点もあります。当社製品で一部使っている薄い方のフリースは その毛玉が出来にくい上に、はき心地が抜群ですが、もうあまり製造されていない と聞きました。
これらフリースは、以後もっと普及してきたら品質的にも安定すると思います。
尚、スノーボード用手袋でインナー取り外しを採用するか否かは、これから評価が 固まってくる事でしょう。

その他の材料はというと、純粋なインナーとは違いますが、「ゴアテックス」 をインナーの上にかぶせる方法(ゴアテックスインサート)が 7〜8年程前に結構 流行りました。
これで、完全防水の手袋の出来上がりとなります。しかも「透湿」という事で 、通気性も確保され、一見万能の手袋と思えました。
ところが、大きな欠点が有りました。
理由を知りたい方は長くなりますので こちら(ゴアテックスの欠点) でどうぞ。


評価を下表に記しますが、インナーに張るウレタンの厚さなどによっても相当 違ってきますので、実際に出来上がった商品については一概には言えない事も事 実です。
(今回書いているインナーはすべて現在も使われてます)


が右の条件に
最も近い事を表します
(相対評価)
暖かい 手の動
きを妨
げない
はき心
地が良
丈夫だ 価格が
安い 
ひとこと
フリース 出だしの頃は高かった
ボア×ベンベルグ 最近の主流
全面アクリルボア × × 平部まで過大な暖かさは?
ベンベルグ インナーの標準(基準)
シンサレート アピール度はあるが
ナイロン起毛 × ささくれ指に引っかかる
ナイロン × 手を入れた瞬間がヒヤリ
特紡 合皮の子供用に多い
ゴアテックス+ +α × ××× 防水性はほぼ完璧だが・・

1-4 (1998.12/16改)


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